それから更に上流へと遊歩道をあるき続けると、パネル展示がたくさん並ぶ一角があった。
これが、道頓堀川で釣りをする上で、非常に有効な情報満載なのであった。
道頓堀川が汚かった理由
まず、この情報。東横堀川は道頓堀川の上流につながって、南北に伸びて大川につながっている川。以前からこの2つの川はなぜこんなに汚いのだろうかと不思議だったのだが(同じく大川を源流としていても、土佐堀川、堂島川はそれほど汚くはないのだ)、大阪市内の雨水吐口の24%は道頓堀川・東横堀川に集中していた…ということ。
ただ、それだけの汚水が入るということは、汚染の原因になる反面、「栄養」もある…ということなのだろう。
この地図上の川のそばに描かれている矢印が雨水吐口。ほとんどは東横堀川に集中している。道頓堀川には北岸に2つしかない。
道頓堀川の汚染が改善した理由
北浜逢坂貯留管
かつて、道頓堀川と東横堀川は、豊臣秀吉の時代にさかのぼる「太閤下水」の排水が流れていた。
それを北浜逢坂貯留管が開通する。平成27年供用開始ということは2015年…確かにそれぐらいから道頓堀川の水はキレイになったかな。以前みたいに変なニオイはあまりしなくなった。
中浜下水処理場
北浜逢坂貯留管に加えて、中浜下水処理場で膜分離活性汚泥法(MBR)による下水処理を行っているから水質が改善したらしい。
MBRの概要も説明されていた。中浜下水処理場は昭和35年~38年から運用だけど、MBRがいつから実施されたのかは不明。そんなに新しい技術ではないのかな。
道頓堀川に生息する魚
コウライモロコ、マハゼ、スズキ…この3つだけじゃないだろうし、ブラックバスとブルーギルは入ってない。外来生物はこういう情報には掲載されないのか。大阪市環境局が作成した「平成29年度大阪市内河川魚類生息状況調査結果」というのがあるらしい。それを見れば道頓堀川に生息する魚がわかるはず…つまり釣れる魚と量、ベイトフィッシュなんかもわかるのではないか。
こちらが大阪市の魚類生息状況調査のページ。
■平成29年度 市内河川魚類生息状況調査結果概要(詳細版)
▲こちらに道頓堀川についての記述あり。
道頓堀川ではコウライモロコの個体数が増えているらしい。環境改善の効果が出ているのか。つまりベイトフィッシュも増えている…ということだろう。
コウライモロコに近い形のルアーを使えば釣りやすいかも知れない。
■平成 29 年度調査 市内河川の魚類の分布(地図)
クリックしてbunnpuzu2017-02.pdfにアクセス
▲こちらに地図でわかりやすく魚類分布が示されている。
道頓堀川に主にいる魚として、
- コウライモロコ
- ワカサギ
- ボラ
- マハゼ
- ゴクラクハゼ
- スズキ
…とある。
コウライモロコの横の青い■は水質の良いところに棲む魚を意味し、ボラの横の赤い■は水質の悪いところでも棲める魚を意味する。
平成29年度 市内河川魚類生息状況調査結果 魚の分布状況(一覧表表示)
▲こちらは各河川で調査捕獲された魚の種類と数をまとめたもの。
道頓堀川のデータを書き出すと…
- コウライモロコ…11匹
- ゴクラクハゼ…1匹
- スズキ…1匹
- ボラ…5匹
- マハゼ…14匹
- ワカサギ…2匹
となっている。意外にコウライモロコとマハゼが多い。そして不思議なことにブラックバスとブルーギルは入ってない。
この手の調査は、網を使って捕獲するので、調査結果にあがってくるのは網で取れるものに限られる。そして、網を使ったからといって、そこに生息する魚を必ず全て取れるとも限らない。
なので、あくまでも目安ではあるが、生息する魚の情報から、道頓堀川の水質が改善していることと、ベイトフィッシュが豊富であることとその種類も理解できた。
道頓堀川でのストリートフィッシングを始めるにあたって、大きな手掛かりを得ることができた。